仕事の紹介
キュービクル設計製作開発JAXA汚水を浄化する社会活動に参加
キュービクル設計製作の仕事を紹介
福岡県の守り神「筑後川」を守る ~あさくら3ダム~ 建設に貢献
あさくら3ダムのひとつ、現在建設中の小石原川ダムの 受変電設備の部分の盤及び照明設備の盤を造る
筑後川は坂東太郎(利根川)、四国三郎(吉野川)とともに筑紫次郎とも呼ばれ、日本三大暴れ川としても知られる。熊本県、大分県、福岡県、佐賀県の四県、9市3郡にまたがって流れ、広大な筑紫平野を形作った源でもある。流域では、頻度的に2年に1度の割合で何かしらの災害が起こり尊い命や貴重な資源が失われた。災害は洪水ばかりではない。渇水も災害である。小石原川ダムはこれらの災害を未然に防ぐために建設されている。筑後川の支流である小石原川には昭和50年に江川ダムが、佐田川には昭和53年に寺内ダムが完成し、農業用水や都市用水を供給している。小石原川ダムは、小石原川と佐田川に導水路トンネルを建設し、江川ダムおよび寺内ダムとともに貴重な水資源の有効活用を図ろうとするものである。
異常渇水時における社会生活、経済活動、河川環境等における被害を最小限に抑えるための緊急水の補給する渇水対策
梅雨などで大雨が降った時に、流れてくる洪水を一時的にダムに貯め、河川流量の調整を行い、下流の被害を軽減する洪水調整。
福岡県南地域水道普及率向上による給水人口の増加や下水道の普及等に伴う都市用水利用
など小石原川ダムに課された役割は大きい。
お客様からの要望は、小石原川ダムにおける受変電設備(配電盤の製作)、二次変電設備(配電盤の製作)、小石原川ダム管理棟から二次変電所までの連絡通路の照明盤の製作であった。
何しろダムの仕事は初めてに近い。しかし奥田の細かいところまで気を配る設計能力が客先から買われた。全面的に任された奥田は、小石原川ダムにおけるこの仕事に挑戦するにあたり、客先との打合せを何度も繰り返した。
技術面で苦労したことは、給電停電した際の非常発電への切替制御のタイミング、長時間停電と判断された場合の自設備発電(水力発電)制御切替の仕方とタイミングだった。奥田は、客先に協力を求め、小石原川ダム管理棟(受電設備)にて模擬停電を発生させ、非常発電機を自動起動し、自家発電への切替を実際の現場で試運転として行った。その苦労もあって、いかなる非常事態でも給電が可能な制御を製作できたのだ。また発電とは別に各設備の動作調整を実際の機器を見て回り確認した。もちろんダムの目的は供給するだけでなく水の安全も大切だ。水質調査も手を抜かなかった。
まだ小石原川ダムは完成していない。しかし、電気部門の正確な動きが、今後の「筑後川」水域を守ることになるのは間違いないと思っている。
設計担当 奥田 真(設計次長)